ゼロの第十工房





失うものは大きく…

生涯として愛を誓った相手は、あっけなく、
亡骸前に、呆然と立ち尽くす。

螺旋階段くだり、マリアンが何よりも愛していた小さきバラ園に。
朝陽、真紅のつぼみが、空に向って花ひらこうという時間。
鮮やかな、花の絨毯は、何処にもなかった。

あるのは、やけ落ちた、黒き灰と、いくつもの無残な死体。
そんな景色をただ立ち尽くし、呆と眺めていた。


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