失うものは大きく… 生涯として愛を誓った相手は、あっけなく、 亡骸前に、呆然と立ち尽くす。 螺旋階段くだり、マリアンが何よりも愛していた小さきバラ園に。 朝陽、真紅のつぼみが、空に向って花ひらこうという時間。 鮮やかな、花の絨毯は、何処にもなかった。 あるのは、やけ落ちた、黒き灰と、いくつもの無残な死体。 そんな景色をただ立ち尽くし、呆と眺めていた。 閉じる